2018年の新政頒布会感想!
4月の頒布会は、360mlの3本セット。
個性派なお酒をそれぞれ楽しむことができました。
『素晴らしき純米酒の世界』をテーマに、第一回目である今回に用意されたのは、
- 96%純米
- 亜麻猫 -改-
- 木桶仕込元禄酒
の3本。
おそらく馴染みがある名前は『亜麻猫』だけではないでしょうか。
そして、用意された名前からは「どんなお酒なのだろう」とワクワクさを隠さずにはいられない印象が。
さっそく、それぞれの紹介をさせていただきます。
96%純米|四月ノ頒布 其ノ一
名称から正体がわかりますね。
なんと精米歩合が96%の本作。
40%精米から、23%…果ては1%精米といった低精米のお酒が脚光を浴びる風潮がありますが、まさしくその流れに一石を投じる作品。
低精米のお酒は確かに雑日がなくクリアな飲み口で誰にも飲みやすいです。しかし、磨けば磨くほど蔵や米の独自性は反映されにくいといいます。
新政酒造様は独自性、個性的なお酒を求め、精米歩合競争に関与しない方針でおり、まさに職人の技を感じることができます。
さてさっそく味わいってみます。
お猪口へ注いだ96%純米。口に近づけ、舌にのせると…なんと驚くほどに丸いのです。
角がなくまろやかな口当たり。
そして、その口当たりからじゅわぁぁっと旨味が覆い尽くしていきます。
さすがの精米歩合とあって黄色がかった色味ですが、強いインパクトはありません。
感じた旨味はスッと消えていきます。
96%純米
「米から日本酒ができる」ということを感じられる、やわらかい舌触りと美味しさの一本でした。
亜麻猫 -改-|四月ノ頒布 其ノ二
新政酒造の中でも人気の作品『亜麻猫』
酸味が強く、白ワインの様な味わいで人気を博しています。
今回は、その『亜麻猫』をベースとした『亜麻猫 -改-』
なんと、酸度は8(酸味の強い亜麻猫でも約4)
まさしくワイン…また紹興酒に匹敵する酸度といいます。
冷やした『亜麻猫 -改-』をワイングラスに注ぎます。
香りはほのかな柑橘系でしょうか。
舌に乗せると、予想を裏切り(!?)ちょっとした甘みが感じられます。
しかし、ここからが真骨頂。
心地よい酸味が口いっぱいに広がります。
「酸味がすごく高い」と聞くと口をすぼめてしまいそうですが、実際の味わいはバランスが良く嫌な感じはまったくありません。
まるで、グレープフルーツジュースのように…ステキな酸味でスイスイと飲んでしまうほど。
木桶仕込元禄酒|四月ノ頒布 其ノ三
『木桶仕込元禄酒』
本作は、江戸時代初期(1630年~)に伊丹地方にみられた製法を蘇らせたといいます。
元禄配合という仕込み水の量が現代の製法と比較して半分以下という元禄酒を、木桶にて醸した一本。
個人的に、今回の新政頒布会の作品の中でも事前に味わいの想像が難しかった一本です。
さて、グラスに注いで香りを感じてみると…フルーツ…メロン…完熟調の甘い印象はあるもののなんだか独特な香りです。
あまり感じたことのないドキドキをそのままに口に運びます。
まず感じるのは舌触り。トゲがありません。
まろやかな口当たりから少しして酸味を一瞬感じるのですが、その時と同じくしてとてつもない旨みが。
口に広がる旨口なのですが、ここでさらに特徴的なのは、喉ゴシ…鼻に通る感じが、まさに独特を再び感じます。
これが木桶のフレーバーなのでしょうか。
趣深い世界観、堪能させていただきました。
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今回は、新政頒布会2018年4月分の感想をお届けしました。
5月分、6月分もぜひお楽しみください!