2018年の新政頒布会感想!
5月の頒布会は、720mlの2本セット。
『素晴らしき純米酒の世界』をテーマの第二回目…今回に用意されたのは、
- 酵母無添加菩薩酛
- 酵母無添加生酛
の2本。
菩薩酛と生酛の造りをそれぞれ楽しみながら味わえる今回の頒布会。
『生酛』は多くの酒蔵さんからも出ておりますが、菩薩酛はあまり馴染みがありません。
味わったことのないところにワクワクしつつ、さっそくそれぞれの紹介をさせていただきます。
酵母無添加菩薩酛|五月ノ頒布 其ノ一
『酵母無添加菩薩酛』
あまりなじみのない菩薩酛という言葉。
菩薩酛とは、なんと600年も前、奈良県の菩薩山正暦寺で造られた酒母の製法とのこと。
そして、新政酒造が醸すお酒全ての酒母製法である生酛の原型となったものといいます。
おちょこの注ぎ空気感を楽しんだ後、さっそく口に運びます。
最初に感じるのは若干の発泡でしょうか。
スパークリングなどのパチパチ感はありませんが、ほんの少し刺激が舌に伝わります。
さて、味わいでございますが酸味の印象が最も強いですね。
とはいっても4月度の亜麻猫 -改-のようなワイン調の酸味ではありません…熟成したかのような味わい。
酸味の中に濃厚な感触もあり、独特の…まさしく熟練の色気を出しています。
新政頒布会を味わう際は、一切肴は用意しないのですが、もしも合わせるとなるとなかなか強気ものでも愛称がよさそうな、そんな存在感を放っています。
酵母無添加生酛|五月ノ頒布 其ノ二
『酵母無添加生酛』
新政酒造の酒母製法において全量としていることでお馴染みの『生酛造り』
先述の菩薩酛との飲み比べは、新政頒布会においても5年ぶりとのこと。
日本酒の歴史から見て、近代の日本酒は吟醸造りが盛ん(もちろん万人に飲みやすいのは間違いありませんので)になっており、複雑な味わいを持つ生酛造りはだんだんと減ってきているそう。
しかし、新政酒造では常に50%以下の精米歩合で生酛を造っている…まさしく『吟醸生酛』
現代的な挑戦をしつつも、日本酒古来の伝統を擁立させる新政酒造の挑戦には頭が下がります。
菩薩酛同様、お猪口に注いでみました。
グラスもいいですが、やはりお猪口やぐい呑みなどだと、ちょっと風流な感じがありますね(笑)
口に注ぐと、最初は強いインパクトはあまりありません。
しかし舌を転がしていくうちに、かすかな酸味→甘みといったような様々な味わいが顔を出してきます。
この複雑な味わいの日本酒もまた楽しいです。
「一本たりとも同じものができたことはありません」と語るように、きっとこの味わいの度合いも人それぞれなのでしょう。
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今回は、新政頒布会2018年5月分の感想をお届けしました。