世界5大ウイスキーの一つに数えられるアイリッシュウイスキーは、ウイスキーの元祖でありながらイマイチ日本ではなじみのない種類でした。
しかし、ここ最近になってアイリッシュウイスキーに注目が集まってきています。
今回は、アイリッシュウイスキーの特徴をお伝えするとともに、人気の銘柄やそのおすすめの飲み方を紹介します。
アイリッシュウイスキーとは?
アイリッシュウイスキーは名前の通り、「アイルランドで作られているウイスキー」のことを言います。
アイルランドでアルコールが蒸留され始めたのは中世のころとされ、錬金術師が高濃度のアルコールを作ったのが始まりです。
そのアルコールは『命の水(ラテン語でaqua vitae)」と呼ばれ、これがゲール語に訳され、やがてウイスキーの語源になりました。
18世紀になると、アイルランド各地に蒸留所が作られ、たくさんのウイスキーが蒸留されました。
しかし、おもな輸出先だったアメリカで禁酒法が施行されたり、内戦が起こったりしたため、一時期蒸留所の数が激減してしまいます。
しかし、1960年代半ばから伝統的な蒸留所の復活が始まりました。
閉鎖されていた蒸留所が再開したり、2014年からのアイリッシュウイスキーブームを受けて続々と新しい蒸留所も誕生したりして、現在アイルランドには約40もの蒸留所があるとされています。
アイリッシュウイスキーの4つのタイプと特徴
アイリッシュウイスキーには4つのタイプがあるので、それぞれの特徴を紹介します。
ピュアポットスチルウイスキー(シングルポットスチルウイスキー)
『ピュアポットスチルウイスキー(シングルポットスチルウイスキー)』は、アイリッシュウイスキーにのみ存在するタイプのウイスキーです。
麦芽と未発酵の大麦などと原料にしており、とろりとしたテクスチャーとピリッとした風味が特徴です。
現在、ピュアポットスチルウイスキーを醸造しているのは、アイルランドの中でも『新ミドルトン蒸留所』のみで、決して流通量は多くありません。
モルトウイスキー
モルトウイスキーは大麦麦芽を使って作られたウイスキーです。
原料の風味や水の質、蒸留所がある場所の気候風土などが複雑に絡み合うことで、個性的な味わいのウイスキーになります。
蒸留に使う釜や熟成させる樽の違いによって驚くほど味に個性が生まれるので、銘柄ごとの違いを楽しみたい人におすすめです。
グレーンウイスキー
グレーンウイスキーはトウモロコシなどの穀物を使って作られるウイスキーです。
モルトウイスキーに比べると香りも弱く、軽やかな味わいで飲みやすいとされています。
グレーンウイスキーは、それだけで飲まれることは多くありません。
ブレンデッドウイスキー
ブレンデッドウイスキーは、グレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンドしたウイスキーです。
軽やかな味わいのグレーンウイスキーをブレンドすることで、モルトウイスキーの個性が和らぎ、飲みやすくなります。
市場にも多く出回っており、手ごろな価格で購入できるので、最も馴染み深いウイスキーと言えるでしょう。
おすすめのアイリッシュウイスキー3選
それでは、初心者にも飲みやすいおすすめのアイリッシュウイスキーを3銘柄ご紹介しましょう。
タラモアデュー
『タラモアデュー』は新ミドルトン蒸留所で作られているブレンデッドウイスキーです。
軽やかな飲み口で、ウイスキー初心者でも美味しく飲むことができます。
おすすめの飲み方は、アイリッシュウイスキーを使ったカクテル「アイリッシュコーヒー」。
大麦の香りがしっかり感じられつつも重すぎないので、濃厚なカクテルでも飲みやすくなります。
ティーリング シングルモルト
『ティーリング シングルモルト』は、ティーリング蒸留所が発売しているフラッグシップ銘柄ともいうべきウイスキーです。
香りはメロンやイチジクのような甘く熟した香りが特徴で、味にはバニラやドライフルーツ、スパイスのような風味が感じられます。
甘い余韻が長く続くので、じっくりストレートまたはトワイスアップで楽しむのがおすすめです。
ザ・ポーグス アイリッシュ
ウェストコーク蒸留所の『ザ・ポーグス アイリッシュ』は、濃厚な香りと爽やかな甘さが特徴のブレンデッドウイスキーです。
熟成させる樽・年数が違う3つのウイスキーをブレンドすることで、飲みやすさと重厚感を出しています。
存在感のあるウイスキーなので、ハイボールや炭酸割り、カクテルなどにして楽しむのがおすすめです。
まとめ
ウイスキーの元祖ともいうべきアイリッシュウイスキーは、他のウイスキーにはない存在感が好まれています。
一時は少なくなってしまった蒸留所も、徐々に数を増やし、年々新しい銘柄も誕生しています。
ぜひ色々飲み比べてお気に入りの1本を見つけてみてください!