「パーリンカ」というお酒をご存知でしょうか?
「パーリンカ」は、ハンガリーで作られるフルーツブランデーの総称です。
さまざまなフルーツから作られるこのお酒は、ハンガリーの地酒にとどまらず、ブランデーやカルヴァドスと同じように評価されています。
今回は、「パーリンカ」の基礎知識や特徴を解説します。
パーリンカの概要
「パーリンカ」はハンガリーで作られるフルーツブランデーの総称です。
歴史をたどると、元々は余剰に収穫されたフルーツから作られていたと言われるものの、現在では立派な産業となっています。
パーリンカは、EUにて以下の通り定義されています。
ハンガリーで栽培された果物から発酵、蒸留し造られたもので、その他一切の材料(※)を添加してはいけない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/パーリンカ
ハンガリーで栽培、発酵、蒸留、瓶詰めしなければならない。
アルコール度数が37.5%から86%の間でなければならない。
水割りやオンザロックはもとより、冷やしても香りが立たないため、一般的にはストレートで飲まれることが多いです。
しかし、さまざまな割材で変化があり、レシピも楽しめるのも魅力のひとつ。
パーリンカの歴史
「パーリンカ」は、14世紀初頭に誕生したと言われており、当時の国王・王妃が痛風を治療するために医師が考案されたという説もあります。
パーリンカの味わい
パーリンカは、使用するフルーツによって名前が異なります。
フルーツ名+パーリンカで呼ばれることが多く、アプリコットを使えば「アプリコットパーリンカ」、プラムを使えば「プラムパーリンカ」と呼ばれます。
他にも、林檎・桃・洋梨・梨・プルーン・チェリー・ラズベリー・クワ・ブルーベリー・イチジク・カリン・エルダーベリーなど、様々なフルーツがパーリンカになります。
パーリンカの香り
1本のパーリンカを作るために、約10kgのフルーツが使われます。
沢山のフルーツをふんだんに使って作られるパーリンカは、口に入れた途端華やかな香りが立ち上ります。
グラスを手のひらで温めながら味わうと、香りが立ちますので、より香りと風味を楽しむことができます。
樽で熟成させると樽の香りがついてしまうため、ステンレスタンクで作られるのが一般的です。
パーリンカの種類とそれぞれの特徴
パーリンカには種類がありますので、ここではその種類と特徴をご説明します。
Kisüsti(小さなポット)
1000リットル未満の銅製ポットスチルを使って、二回蒸留して造られるもの。
Érlelt(熟成)
1000リットル未満の木製の樽で少なくとも3ヶ月間、または1000リットル以上の木製の樽で少なくとも6ヶ月間熟成したもの。
Ó(古い)
1000リットル未満の木製の樽で少なくとも12ヶ月間、または1000リットル以上の木製の樽で24ヶ月間熟成したもの。
Ágyas
パーリンカに果物を最低3ヶ月漬け込んだもの。パーリンカの原料と同じ果物を漬け込むことが一般的だが、異なる種類のものでもよい。この時漬け込む果物はドライフルーツが好ましい。100リットルのパーリンカに最低10kgの熟した果実、または5kgのドライフルーツを漬け込む。
Törköly
ブドウの搾りかすから造られたもの。パーリンカの中でも最も古いタイプの一つで、食後酒として飲まれることが多くハンガリーでの人気も非常に高い。グラッパやマールと製法が同じため味わいや香りは非常に近い。
まとめ
今回は、パーリンカの基礎知識から味や香り、またパーリンカの種類について解説しました。
質の高いパーリンカは、香り高く味わい深いのが特徴です。
フルーツの種類も多く様々な味もありますので、自分のお気に入りの1本を探すのも楽しみの一つです。
日本ではなかなか馴染みの少ないお酒ですが、ぜひ一度お試しください。